「ホームページを作り直したいけれど、今の制作会社に頼みたくない」。
「保守料だけ払い続けていて、更新を頼んでも返事が遅い」。
そんな理由で、制作会社を変えようと考えている方に向けた記事です。
先に書くと、制作会社を変えること自体は、ほとんどの場合できます。
ただし、確かめる順番を間違えると、ドメインや写真を失うことがあります。
乗り換えの難しさは、ドメインの「名義」と、写真や文章の「権利」が誰にあるかで決まるからです。
この記事では、ドメインの管理団体の規則、文化庁の解説、裁判所の判決をもとに、解約の前に確かめることと移管の手順を整理します。
- ICANN(.comなどのドメインを管理する国際団体)のFAQ、移管のポリシー、ブログ
- JPRS(.jpのドメインを管理する会社)の汎用JPドメイン名登録等に関する規則、指定事業者変更の案内、JPRS WHOIS、JP-DRPの案内
- お名前.com、ムームードメイン、さくらインターネット、エックスサーバーの公式ヘルプ
- Googleのヘルプ(ビジネスプロフィール、Search Console、アナリティクス、サイトの移転)
- 文化庁「著作権テキスト(令和8年度版)」「誰でもできる著作権契約マニュアル」、IPA「情報システム・モデル取引・契約書(第二版)」
- 著作権法、弁護士法(e-Gov 法令検索)
- 東京地裁 令和6年6月21日判決、知財高裁 令和2年10月28日判決ほか(裁判所の裁判例検索に全文)
この記事は2026年9月時点の情報をもとに書いています。
結論:乗り換えの難しさは「名義」と「素材の権利」で決まる

先に結論を表にまとめます。
左はよく聞く思い込み、右は規則と判決が実際に示していることです。
| よく聞く思い込み | 実際 |
|---|---|
| 「お金を払ったのだから、ドメインは自分のもの」 | 登録者が制作会社になっていれば、権利は登録者にあります。ICANNのFAQにも、この質問そのものが載っています。 |
| 「ドメインは、あとで取り戻せる」 | .jpの名義変更には、登録者と相手の合意が要ります。制作会社に協力してもらうのが基本です。 |
| 「代金を払ったので、写真や文章も自分のもの」 | 文化庁は、料金を払ったかどうかにかかわらず、作った側が著作者になると説明しています。 |
| 「解約したあとも、今のサイトの素材は使える」 | 解約後に業者の写真と文章を使い続けたお店に、約72万円の支払いを命じた判決があります。 |
| 「制作会社はいつでも自由に変えられる」 | 保守先やサーバーを変えられるかは、契約の定めによると判断した判決があります。 |
名義が自分になっていれば、乗り換えは手続きだけで進みます。
名義が制作会社なら、解約の前に名義を移してもらうことが先です。
写真や文章は、契約書の中身によっては、解約と同時に使えなくなります。
まず自分で確かめる6つ

乗り換えを決める前に、次の6つを確かめてください。
どれも、今の制作会社に連絡しなくても、ある程度は自分で調べられます。
| 確かめること | どこで見るか | 制作会社の名義だったら |
|---|---|---|
| 1. ドメインの登録者 | .jpはJPRS WHOIS、.comなどはICANNの検索ツール | 名義変更を頼む(要依頼) |
| 2. サーバーの契約者 | サーバー会社から請求書やメールが誰に届いているか | データの引き渡しを頼む(要依頼) |
| 3. WordPressの管理者 | 自分のIDで「ユーザー」の画面を開けるか | 管理者のアカウントを作ってもらう(要依頼) |
| 4. メールの置き場所 | info@などのメールが、そのサーバーに載っているか | 移す先を先に用意する |
| 5. 写真・文章・ロゴの権利 | 契約書や注文書の「著作権」の条項 | 使い続けてよいか書面で確かめる(要依頼) |
| 6. Googleの権限 | ビジネスプロフィール、Search Console、アナリティクス | オーナーを移してもらう(要依頼) |
ドメインの登録者は、自分で調べられる
.jpで終わるドメインなら、JPRS WHOISに入力すると、登録者の名前が表示されます。
.comや.netなどは、ICANNの登録データ検索ツールで調べられます。
表示された登録者が、お店や会社の名前なら大丈夫です。
制作会社の名前が出てきたら、その会社が登録者になっています。
ドメイン会社の名前が出てくる場合は、「Whois情報公開代行」という、登録者の情報を隠すサービスが使われています。
この場合は、ドメイン会社の管理画面にログインできるかどうかで判断します。
ログインするIDを持っているのが制作会社だけなら、実質的には制作会社の管理です。
契約書で探す3つの言葉
契約書や注文書、保守契約の申込書が手元にあれば、次の3つを探してください。
- 「著作権」:写真や文章、デザインの権利が誰に帰属すると書いてあるか
- 「解約」「終了」:契約が終わったあと、素材を使ってよいか、消す必要があるか
- 「データ」「引き渡し」:サイトのデータを渡してもらえるか、費用はかかるか
何も書かれていないこともよくあります。
その場合も、書かれていないこと自体がトラブルの元になるので、このあとの章で説明する方法で確かめます。
ドメインが制作会社の名義だったら

「払ったのに自分のものではない」はICANNも想定している
.comなどのドメインを管理するICANNのFAQには、次の質問がそのまま載っています。
「ドメイン名の登録料を払っているのに、自分のものではないとはどういうことですか」。
答えの一部は、次のとおりです。
開発者など第三者にドメイン名の管理を任せている場合、その人が自分の連絡先を使ってドメイン名を登録していることがあります(あなたが登録と管理の費用を払っていたとしても)。
その場合、その人がドメイン名の正式な登録者として記録されていることがあります。
ICANN「General Questions FAQ」(原文は英語。デジリスタ訳)
続けて、登録者を自分に戻すには、支払いの証明が必要になるかもしれない、と書かれています。
「必ず取り戻せる」とは書かれていません。
ICANNは別のブログで、制作会社やサーバー会社を登録者にすることは勧めない、とも書いています。
.jpは「登録者と相手の合意」がないと名義が変わらない
.jpのドメインは、JPRSの規則で、名義を変えるときの条件が決まっています。
登録者は、汎用JPドメイン名の移転に関する登録者と第三者の合意がある場合、当社所定の方式によって申請を行い、汎用JPドメイン名の移転登録をすることができる。
JPRS「汎用JPドメイン名登録等に関する規則」第25条
申請するのは登録者、つまり今の名義人です。
制作会社が登録者なら、制作会社に名義変更の手続きをしてもらう必要があります。
解約の話を切り出す前に、名義変更を頼むのが安全な順番です。
移管を承認できるのは登録者だけ
ドメインの管理会社を変えることを「移管」と呼びます。
移管には「AuthCode」という認証用のコードが要りますが、コードがあれば誰でも移せるわけではありません。
ICANNの移管のポリシーは、移管を承認・拒否できるのは登録者だけだと定めています。
.jpでも、今の管理会社から登録者へ意思の確認が届き、登録者が「承認」して初めて完了します。
JPRSが発行するAuthCodeの有効期限は、発行の翌日から数えて35日です。
逆に、正しいAuthCodeで申請されると、JPRSは登録者本人の意思による申請として扱います。
AuthCodeは、移管の手続きをする日まで、他人に渡しっぱなしにしないでください。
.comなどは「名義変更の直後は60日移管できない」
.comや.netなどでは、名義を変えたあと60日間は移管できないロックがかかることがあります。
ICANNの現行のポリシーは、別の会社へ移すつもりなら、名義変更の前に移管を済ませるよう案内しています。
このロックを見直す提案が2025年に出ていますが、2026年9月時点ではまだ実施されていません。
JP-DRPは契約トラブルのための手続きではない
「ドメインの紛争処理の手続きで取り戻せる」と書いているページもあります。
JPRSの紛争処理方針(JP-DRP)が対象にするのは、商標などの権利を持つ人が、不正な目的で登録されたドメインを取り返す場面です。
制作会社との契約のもつれを片づける手続きではないので、まずは話し合いと、必要なら弁護士への相談になります。
写真・文章・デザインは「払った=自分のもの」ではない

文化庁「料金を支払ったかどうか等にかかわりなく」
ドメインと並んで見落とされやすいのが、ホームページに載っている写真や文章の権利です。
文化庁の著作権テキストは、次のように説明しています。
著作物の創作を他人や他社に委託(発注)した場合は、料金を支払ったかどうか等にかかわりなく、実際に著作物を創作した「受注者側」が著作者となります。
文化庁「著作権テキスト(令和8年度版)」8ページ
制作会社が撮った店内の写真や、書いた紹介文の著作者は、原則として制作会社です。
発注したお店が権利を持つには、契約で著作権を譲り受ける必要があります。
「著作権を譲渡する」だけでは足りないことがある
契約書に「著作権を譲渡する」と書いてあっても、安心はできません。
著作権法61条2項により、写真の加工や文章の書き換えにかかわる権利(27条・28条の権利)は、契約書に書かれていなければ元の会社に残ると推定されます。
文化庁のテキストも、「すべての著作権(著作権法第27条及び第28条の権利を含む)を譲渡する」と書いておく必要があると説明しています。
さらに、作者の名誉を守る「著作者人格権」は、そもそも譲渡できません(59条)。
そのため契約書では、「著作者人格権を行使しない」と約束してもらう形がとられます。
解約後に使い続けて約72万円(東京地裁 令和6年6月21日判決)
実際に、乗り換えのあとで争いになった事件があります。
ある旅館が、宿泊施設向けの集客業者と、予約システムやホームページの管理を含む月額の契約を結んでいました。
旅館は契約を解約したあとも、業者のスタッフが撮った写真と書いた文章を、自社のサイトと複数の予約サイトに約6.6か月載せ続けました。
判決は、写真と文章は業者の著作物だと認めたうえで、契約書に解約後の扱いが書かれていなかった点を指摘しています。
本件契約書及び本件申込書(甲3)において,原告が掲載した各写真及び各文章についての契約終了後の取扱いに関する記載はなく,他に原告と被告との間で別段の合意等が成立した事実を認めるに足りる証拠もない
東京地裁 令和6年6月21日判決(令和4年(ワ)第11762号)
旅館は、掲載を続けた期間の使用料相当額と、写真を切り抜いた改変の分、未払いの利用料を合わせて、72万4854円の支払いを命じられました。
予約サイトの写真については、旅館が自分でログインして消せたのだから、業者に消す義務はないとも判断しています。
Googleビジネスプロフィールや予約サイトに載せた写真も、消すのはお店の責任になると考えておくべきです。
「制作会社を変えられるかは契約しだい」(知財高裁 令和2年10月28日判決)
株式スクールのサイトの制作者が、別の業者に乗り換えた発注者を訴えた事件では、知財高裁が次のように述べています。
原告制作ウェブサイトの内容の変更,保守委託先の変更,格納サーバーの変更の可否は,当事者間の契約の定めによるところであり,ウェブサイトの制作を依頼した委託者において当然に許容されるものではない
知財高裁 令和2年10月28日判決(令和元年(ネ)第10071号)
この事件では、サーバーが制作者の名義で契約されていました。
お店側の支払いが滞ってサーバーが凍結され、お店は自分でサイトを戻せなくなっています(一審の大阪地裁の認定)。
判決は、制作者が撮った写真11枚を無断で使った分として、15万円の賠償を命じました。
一方で、ページのタイトルやCSSのコード、データベースの構成は著作物ではないとしています。
争いになるのはコードより写真と文章
別の事件で知財高裁は、発注者が内容や文字の配置を細かく指示して作らせたHTMLについて、表現の選択の幅は著しく狭いとして、著作物ではないと判断しました(平成29年3月14日判決)。
契約書がない場合でも、作ったときの目的どおりにサイトで使う分は、黙って許されていたと判断された例があります(大阪高裁 令和3年1月21日判決)。
ただし同じ判決は、写真を切り出して別の目的に使うことまでは許されていないとして、賠償を命じています。
乗り換えで気をつけたいのは、サイトの作りを似せることより、写真・イラスト・文章を新しいサイトやチラシに持ち出すことです。
乗り換えの手順(解約は最後)

乗り換えは、次の順番で進めます。
今の契約の解約を最後に回すのがいちばん大事な点です。
- 契約書と注文書を読み、著作権・解約・データの条項を確かめる
- 新しい制作会社に、移管と作り直しの見積もりを出してもらう
- 今の制作会社に、名義変更・データの引き渡し・写真の扱いを書面で頼む
- ドメインの名義を自分に移し、管理会社を移管する
- サーバーを引っ越す(ドメインを変えなければ、ファイルとデータベースのコピーで済む)
- ドメインの向き先(DNS)を新しいサーバーに切り替える
- メールのアカウントを新しいサーバーに作り、受信を確かめる
- 表示、問い合わせフォーム、メールの送受信を確かめる
- 最後に、今の制作会社との契約とサーバーを解約する
WordPressの公式の手引きも、URLとデータベースが変わらなければ、ファイルとデータベースのコピーで引っ越せると説明しています。
ドメインを変えずに制作会社だけ変えるなら、検索の評価にかかわるURLも変わりません。
移管が止まる3つの原因
ドメインの移管は、次のどれかで止まることがよくあります。
| 原因 | 起きること | 対処 |
|---|---|---|
| Whois情報公開代行がかかっている | 承認のメールが登録者に届かない。お名前.comでは「不承認」になる | 移管の前に公開代行を外す |
| 移管ロックがかかっている | 移管の申請が通らない | 管理画面かドメイン会社に頼んで外す |
| 登録者のメールアドレスが制作会社のもの | 承認のメールが制作会社に届く | 登録者のメールアドレスを自分のものに変えておく |
お名前.comの無料のDNS設定を使っている場合は、移管が終わった時点で設定が消えると案内されています。
移管の前に、今のDNSの設定を書き写しておいてください。
移管にかかる期間は、各社の案内で数日から2週間ほどです。
メールは、サーバーを解約すると止まる
info@のような独自ドメインのメールが、今の制作会社のサーバーに載っていることがあります。
メールの行き先は、DNSの「MXレコード」で決まります。
エックスサーバーは、解約したサーバーは利用期限から一定期間後に凍結されると案内しています。
メールがそのサーバーに載っていれば、先にサーバーを解約すると、受信できなくなります。
新しいサーバーに同じメールアドレスを作ってから、DNSを切り替えてください。
今の制作会社に送る依頼文
依頼は、電話ではなくメールなど記録が残る形で送ります。
いつもお世話になっております。
ホームページの運用体制を見直すことになり、次の3点をお願いできますでしょうか。
- ドメイン(◯◯.jp)の登録者を、当店名義に変更していただくこと
- WordPressのデータ一式(ファイルとデータベース)をお渡しいただくこと
- 御社が撮影・作成された写真と文章を、今後も使わせていただけるか、条件とあわせてご教示いただくこと
費用がかかる場合は、事前にお見積もりをお知らせください。
写真と文章は、使い続けてよいかの返事を書面でもらうまで、新しいサイトに移さないでください。
使えない場合に備えて、新しい制作会社には差し替え用の撮影や文章も見積もってもらうと安心です。
Googleの権限を引き継ぐ

ドメインとサーバーのほかに、Googleのサービスの権限も引き継ぐ必要があります。
Googleビジネスプロフィール
お店のプロフィールのオーナーが制作会社になっていることがあります。
その場合は、自分のGoogleアカウントからオーナー権限をリクエストできます。
そのオーナーは 3 日以内に返信する必要があります。
Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールのオーナー権限をリクエストする」
詳しい手順は、MEO対策を解約する前に確認する5つのことで説明しています。
新しいサイトができたら、プロフィールのウェブサイト欄のURLも確かめてください。
Search Console
Search Consoleは、お店が自分で所有権を確認すれば、制作会社と並んで所有者になれます。
前の制作会社を外すには、その会社が置いた確認用のタグやファイルをサイトから消します。
Googleのヘルプも、過去の所有者の確認トークンを削除すれば、その所有者を未確認の状態に戻せると説明しています。
Googleアナリティクス
アナリティクスのデータが制作会社のアカウントの中にある場合は、プロパティをお店のアカウントへ移します。
Googleは、プロパティを移す場面の例として「代理店を変えたとき」を挙げています。
ただし、移す元と移す先の両方で管理者の権限が必要なので、前の制作会社の協力がないと移せません。
解約の前に頼んでおく項目です。
ドメインを変えるときだけ必要なこと
新しいドメインに変える場合は、古いURLから新しいURLへの転送(301リダイレクト)を設定します。
Googleは、転送を一般に1年以上残すよう案内しています。
Search Consoleのアドレス変更ツールは、新旧両方のサイトの所有者であることが条件です。
古いドメインを制作会社が持ったままだと、転送そのものを設定できません。
できるだけドメインは変えずに、名義を移して使い続けるほうが手間もリスクも小さくなります。
前の会社が応じない・連絡が取れないとき

自分が登録者なら、自分で手続きできる
ドメインの登録者が自分なら、ドメイン会社に本人として問い合わせ、AuthCodeを受け取れます。
ICANNのポリシーでは、登録者から求められたドメイン会社は、5日以内にAuthCodeを渡すことになっています。
登録者が制作会社なら、支払いの記録をそろえる
登録者が制作会社で、名義変更に応じてもらえない場合は、ドメイン会社に相談します。
その際は、ドメインの費用を払ってきた請求書や振込の記録をそろえてください。
ICANNのFAQも、支払いの証明が必要になるかもしれないと案内しています。
.jpは登録者の合意がないと名義が変わらないので、応じてもらえなければ弁護士に相談することになります。
連絡が取れない・倒産したとき
制作会社と連絡が取れなくなったときは、まずドメインの有効期限を確かめます。
JPRS WHOISなどで、有効期限は誰でも見られます。
期限が切れると、サイトもメールも止まり、ドメインが他人に取られるおそれもあります。
倒産した場合は、破産管財人などが決まっていれば、その窓口に名義変更を相談します。
新しい制作会社が交渉を代わることはできない
前の制作会社との交渉を、新しい制作会社が代わりに引き受けることはできません。
報酬をもらって法律上の交渉を代わりに行えるのは、弁護士だけだからです(弁護士法72条)。
新しい制作会社ができるのは、依頼文の作り方や技術の作業の案内までです。
話し合いがこじれたら、弁護士会の法律相談や、日本弁護士連合会の「ひまわりほっとダイヤル」(中小企業向け)を使ってください。
次の制作会社で同じことを繰り返さない契約の4項目

新しい制作会社と契約するときは、次の4つを書面で確かめておくと、次に乗り換えるときに困りません。
- ドメインとサーバーは、お店の名義で契約する
- 写真・文章・デザインの著作権をどちらが持つか。お店が持つなら、27条・28条の権利を含めて譲渡し、著作者人格権は行使しないと書く
- 契約が終わったとき、サイトのデータを渡してもらえるか。素材を使い続けてよいか
- 写真やイラストの出どころ(自社撮影・素材サイト・お店の提供)の一覧をもらう
著作権の決め方には、いくつかの型があります。
IPA(情報処理推進機構)の情報システム・モデル取引・契約書は、システム開発の契約の著作権について3つの案を示しています。
| 案 | 著作権の持ち主 | 向いている場合 |
|---|---|---|
| A案 | すべて制作会社 | 費用を抑えたい。使い続ける許可を契約で取る |
| B案 | 代金を払い終えたときにお店へ移る(汎用的な部品は除く) | 将来、別の会社で直したり作り替えたりしたい |
| C案 | お店と制作会社の共有 | 両方が今後も使う予定がある |
IPAの解説は、お店側が著作権を持ちたいなら、依頼の段階でそう伝え、その分の費用も見積もってもらうよう勧めています。
著作権を譲ってもらわない場合でも、「契約が終わったあとも、このサイトとお店の案内に使ってよい」という許可を書いておけば、乗り換えのときに困りません。
新しい会社の素材の責任も、お店にある
外注の制作会社が、他人の写真を無断でサイトに入れていた事件で、東京地裁はお店の責任を認めています。
被告自らが本件画像をアップロードしたと同視できる。
東京地裁 令和4年7月13日判決(令和3年(ワ)第21405号)
サイトを運営して利益を受けるのはお店なので、「制作会社が勝手に入れた」は通りませんでした(賠償は15万円)。
4つ目の出どころの一覧は、そのための確認です。
費用と期間の目安

ドメインの移管の費用と期間は、各社の公式の案内に次のように書かれています。
| 項目 | 公式の案内 |
|---|---|
| 転出(今の会社から出る)の費用 | お名前.com、ムームードメイン、さくらインターネットはいずれも無料 |
| 移管先で払う費用 | 移管先の会社の移管料金。エックスサーバーは、移管すると有効期限が1年延びる |
| .jpのAuthCodeの期限 | 発行の翌日から数えて35日(JPRS) |
| 完了までの期間 | JPRSは数日程度。各社は1週間から2週間ほど |
制作会社に払う移管の作業費や、作り直しの費用は会社ごとに違います。
「相場は◯万円」と書いているページもありますが、出どころが示された数字は見つかりませんでした。
2社以上から、作業の中身を分けた見積もりを取って比べてください。
よくある質問

- ドメインを変えずに、制作会社だけ変えられますか?
-
できます。
ドメインの名義が自分にあれば、管理会社を移管して、向き先を新しいサーバーに切り替えるだけです。
URLが変わらないので、検索の評価にかかわる転送の設定もいりません。
- 乗り換えの途中で、メールは止まりますか?
-
新しいサーバーに同じメールアドレスを作ってから向き先を切り替えれば、止まらずに移せます。
先に今のサーバーを解約すると、その日から受信できなくなることがあります。
- Wixやホームページビルダーで作ったサイトも移せますか?
-
ドメインは移管できますが、Wixのようなサービスで作ったページは、WordPressなどへそのまま移せないことが多いです。
文章と写真を使って作り直すのが一般的で、写真と文章の権利の確認はここでも必要です。
- 前の会社のデザインに似せて作り直してもいいですか?
-
ページの構成やコードが似ていることだけで、著作権の侵害とされる可能性は低いと考えられます。
判決で著作物と認められているのは主に写真や文章なので、前の会社が作った素材は、許可がない限り使わないでください。
- 保守契約の途中で解約できますか?
-
契約書の最低利用期間と、途中解約の条件しだいです。
リースや長期のクレジットで契約している場合は、仕組みが違うのでホームページのリース契約の記事を読んでください。
- 移管の途中で、サイトが見られなくなりますか?
-
移管はドメインの管理会社を変える手続きなので、それだけでサイトが止まることは通常ありません。
例外として、お名前.comの無料のDNS設定を使っている場合は、移管の完了時に設定が消えるので、先に書き写しておきます。
まとめ

制作会社を乗り換えるときに押さえておきたいことは、次の3つです。
- 難しさは名義と権利で決まる。ドメインの登録者、サーバーの契約者、写真と文章の著作権を先に確かめる
- 名義変更と、写真や文章を使い続けてよいかの確認は、解約の前に書面で頼む
- 解約は最後。メールとGoogleの権限を移し、新しいサイトが動くのを確かめてから今の契約を終える
これから新しくホームページを作る方は、開業前のホームページ制作の記事で、ドメインを自分の名義で取る時期も確かめてください。
デジリスタのホームページ制作では、ドメインとサーバーはお客様の名義で取得し、デジリスタは取得と設定をお手伝いします。
ほかの会社に移るときは、WordPressのデータ一式をお渡しします。
月額の保守は任意で、契約期間と解約の条件、制作物の権利の扱いは、契約前に見積書と契約書でお示しします。
今の制作会社との交渉は、オーナー様ご本人にお願いしています。
デジリスタは、依頼文の作り方、移管とサーバーの引っ越し、作り直しの作業をお手伝いします。
移管や作り直しの見積もりは、無料でご相談いただけます。

